ワンピースを1着、縫い上げた。
magicalで作った、magicalにしかないテキスタイルを使って。
私にとっては、特別な1着。
この小さな小さなブランド…と呼んでいいのかもわからないmagicalがはじまったのは2015年。
いろんなことが重なって、仕事を辞めて
人生を見つめ直し、その時手の中にあった物でアクセサリーを作り始めた。
ネットで販売を始めて
「magicalのアクセサリーが売れました」というお知らせのメールを受け取った時の
その瞬間を、嬉しくて泣きたくなるようなその幸福を、今でも鮮明に覚えている。
初めてmagicalとしてイベントに出展をした時に、母が夜な夜な作ってくれた猫柄のワンピースは今でも1番の宝物だし、永遠に着ていきたいと思っている。
そうしてアクセサリーだけじゃなくて誰かの宝物みたいな洋服が作りたい
着た時のこのときめきを誰かに伝えたいし共有したい。
何よりも保護猫をモデルにした洋服を作りたい。
とびっきりのかわいい服を作って、着た人が、見た人が、保護猫のその現実や未来についての話をしてほしい。
そんな事を何と無く考えて洋裁の学校に入った。
家庭用ミシンさえほとんど触った事のない私が、工業用ミシンを踏んだ。
(今ではむしろ家庭用ミシン超難しい。工業用ミシンが至高。)
0からのスタート。毎日必死に勉強し、卒業後も仕事をしながら修行してコツコツ学び、亀さんよりも遅い歩みで前へ進んだ。
洋服を作るって、デザインを決めてパターンを作り、シーチングに写し、裁断、トワル組み。
仮縫いをして、何度も何度も修正をしながらその工程を繰り返す。
文字にすると簡単に聞こえるけれど、何日も何日も私はその工程に時間をかけた。
私はどうしても、オリジナルのテキスタイルを使いたかったから
作って、思い通りのテキスタイルをやっと手にしたところから、裁断し本縫い。
裁断も簡単に聞こえるけれど、とても大変な作業。
パーツが多ければ1日中裁断に時間がかかる事だってある。
(以前作ったドレスの裁断はパーツが多すぎて1日かかった)
そうして出来上がったワンピース。
やっと、1着。 3年かかってできた、特別な1着。
これは1シーズンで終わらせない。
magicalの定番ワンピースになる。
magicalの洋服を手に取る人に、何かを感じてもらえたら嬉しい。
そして、長く愛され着られるように、少しばかりの工夫もしています。
いつか、展示、受注会でお披露目できる日を思い描きながら
また明日から次のテキスタイル、パターンに取り掛かります。